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フォークリフト事故が再び社会問題に:不適切な使用が招いた子供の死

  • プラスト広報部
  • 4月8日
  • 読了時間: 4分

2025.04.08

物流や工場の現場において欠かせない存在であるフォークリフト。しかし、その便利さの裏で、事故による悲劇が後を絶ちません。2025年4月6日、茨城県筑西市で発生したフォークリフトによる死亡事故は、多くの人々に大きな衝撃を与えました。こどもが命を落とすという痛ましい出来事の詳細と、背景にある問題、安全対策の必要性について掘り下げていきます。



 

フォークリフト画像
写真は事故とは無関係です。

 



筑西市で起きた悲劇:小学生死亡事故


2025年4月6日、茨城県筑西市内の市道で、父親が運転するフォークリフトのフォーク部分に子ども3人を乗せて走行していたところ、そのうちの一人が転落。頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認されました。


運転していたのは、父親とのこと。現場で警察により現行犯逮捕され、「車体のバランスが崩れてしまった」と供述しています。事故現場は舗装されていない市道で、地面の凹凸が転落の一因となったとみられています。


この事故の最大の問題点は、「本来人を乗せることが禁止されているフォーク部分」に子どもたちを乗せていたということです。安全意識の欠如が、尊い命を奪う結果となってしまいました。



情報元:

FNNプライムオンライン


Yahoo!ニュース






フォークリフト事故の現状

厚生労働省および日本産業車両協会によると、フォークリフトに関連する労働災害は依然として多く発生しています。2024年上半期だけでも、休業4日以上の死傷災害は1989件。そのうち死亡事故は148件に上り、そのほとんどが不適切な操作や危険な環境下での使用によるものでした。



主な事故原因には、以下のようなものがあります:



荷の転落による直撃



操作ミスによる衝突や転倒



走行中の車体バランス崩壊



無資格者の運転



本来の使用方法を逸脱した危険行為




フォークリフトは「労働安全衛生法」に基づく特別教育や技能講習が必要な機械です。しかし、一部現場ではこれを無視した“自己流”の運用が横行しているのが現状です。

(情報元:日本産業車両協会)





他にも続く事故の事例

筑西市の事故のほかにも、近年フォークリフトによる重大事故が多数発生しています。



2024年4月/埼玉県: フォークリフトが横転し、運転席から投げ出された作業員が下敷きになり死亡。



2025年3月/愛知県: パレット45枚を積み、その上に人を乗せて持ち上げるという危険作業中に、作業員が転落して死亡。




これらはいずれも「危険な使い方」が原因です。乗せてはいけない場所に人を乗せる、許容荷重を超える重量物を持ち上げる、傾斜地での無理な走行など、安全ルールを逸脱した運用がもたらした悲劇です。



情報元:

TBS NEWS DIG

物流Weekly





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なぜ不適切な使用が起きるのか?



1. 安全教育の不足


 現場によっては、新人教育が形骸化し、フォークリフトのリスクに対する正しい知識が共有されていないことがあります。




2. 時間・コストの優先


 「急いで作業を終わらせたい」「効率を上げたい」というプレッシャーが、安全軽視につながるケースも少なくありません。




3. 家庭内での使用


 今回のように、職場ではなく家庭や個人所有地でフォークリフトを使用する場合、安全意識がさらに薄れがちになります。家庭内では規制が緩いという誤解も事故の温床となります。






 

建設機械

 


事故を防ぐためにできること



職場での対策



全作業員に対する定期的な安全講習の実施



KY(危険予知)活動の推進



運転資格のない者への操作禁止の徹底



点検整備の記録・報告体制の構築



安全装置(バックカメラ・警報音・AI監視)の導入




家庭・個人使用での注意



フォークリフトは遊具ではないと認識する



資格を持たない者の運転を厳禁とする



特に子どもに近づかせない環境づくり



車両を外部に貸与しない、放置しない





まとめ:命を守るために「当たり前」を徹底する

筑西市での事故は、「フォークリフトの所定の位置以外に人を乗せてはいけない」という基本中の基本が守られていれば、決して起きなかったはずです。一瞬の気の緩みや判断ミスが、取り返しのつかない結果を招くことを、私たちは再認識する必要があります。


職場でも家庭でも、フォークリフトを取り巻く環境に「絶対安全」という言葉はありません。このようなかたちでフォークリフト事故が再び社会問題にならないよう、正しい知識と意識をもって、1件でも多くの事故を防ぐことが、我々にできる最大の使命です。






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